※この文章は連載
「変わりたかった私が、元の場所に戻るまで」
の一編です。
変わろうとして苦しくなっていた私が、
無理に何かを足すのをやめ、
少しずつ“楽な意識”に戻っていく過程を
記録しています。
第5話|順番
第4話で書いたように、
私は「どうしようもないこと」を
いったん手放すようになりました。
すると、
不思議なことに、
次に目に入ってきたのは
「自分をどう扱っているか」
というテーマでした。
ずっと、後回しにしていたもの
それまでの私は、
自分を大事にしていないつもりは
ありませんでした。
ちゃんと働いて、
ちゃんと生活して、
人に迷惑もかけていない。
それなのに、
どこかで
いつも無理をしていたように思います。
疲れていても、
「これくらい普通」
と流してしまう。
本当は嫌でも、
「仕方ない」
で済ませてしまう。
自分の感覚を、
一番後ろに置く癖が、
いつの間にか身についていました。
他人を大事にする前に、という話
わたしには、
ずっと大事にしてきた言葉がありました。
「あなたの隣人を愛しなさい」
特定の宗教に入っているわけではありません。
ただ、この言葉が好きで、
生きる上での指針のように
心の中に置いてきました。
だから私は、
「自分よりも他人を優先すること」
「困っている人を助けること」
それが正しいことだと、
疑いなく思っていました。
誰かの役に立てているなら、
多少自分が苦しくてもいい。
それが、
大人としての在り方なのだと思っていたのです。
「自らのごとく」という言葉
そんな中で、
松田悠玄さんのお話の中で、
この言葉について
あらためて触れられる場面がありました。
「あなたの隣人を愛しなさい」
その前に、
「自分を愛するように」
という言葉があるのだと。
つまり、
「自らのごとく、隣人を愛しなさい」
という順番が、
とても大切なのだという話でした。
そのとき、
その言葉が、
すっと心の奥に届いたのを覚えています。
自分を後回しにしたままでは、続かない
それまでの私は、
「他人を優先すること」ことが
大事なのだと思っていました。
でも、
自分を雑に扱ったまま、
無理を重ねたままでは、
どこかで必ず歪みが出る。
そのことに、
ようやく目が向いた気がしました。
自分を愛することは、
わがままでも、甘えでもない。
順番の問題だった
ただ、それだけだったのです。
自分を大事にする、最初の一歩
「自分を大事にする」と言っても、
何か特別なことを
始めたわけではありません。
急に生活を変えたわけでも、
大きな決断をしたわけでもない。
ただ、
小さなところから
順番を変えてみました。
・疲れているときは、無理をしない
・嫌だと感じたら、一度立ち止まる
・自分の感覚を、否定しない
それだけです。
すると、人との関係も変わり始めた
不思議なことに、
自分を大事にするようになると、
人との距離感も
少しずつ変わっていきました。
無理に合わせなくていい。
頑張りすぎなくていい。
そう思えるようになると、
自然と
関係が楽になる場面が
増えていきました。
誰かに優しくすることが、
以前よりも
自然にできるようになった気がします。
自分を大事にすることは、責任だった
今振り返ると、
自分を大事にするというのは、
甘えることではありませんでした。
むしろ、
自分の人生に対する責任
のようなものだったと思います。
自分を消耗させたままでは、
何も続かない。
自分を粗末に扱ったままでは、
どこへ行っても、
同じ苦しさを繰り返す。
そのことに、
少しずつ気づいていきました。
まとめ|順番を戻しただけだった
大きく変わったように見えても、
やっていたことは
とてもシンプルでした。
何かを足したわけでも、
新しい自分になったわけでもない。
ただ、
順番を元に戻した。
それだけでした。
自分を大事にする。
その上で、
人や世界と関わる。
この順番を思い出したことが、
私にとっては
大きな転換点だったように思います。
この連載は、
誰かを導くためのものでも、
正解を示すためのものでもありません。
ただ、
変わろうとして疲れてしまった人が、
少し立ち止まれる場所になればいい。
そんな気持ちで、
一つひとつ書き残しています。
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